「エアブラシ塗装」と聞くと、塗装をしたことがない方は『難易度が高そう』というイメージを持たれるかと思います。
ですが、実は他の塗装方法とくらべても塗装をするのが一番かんたんです。そしてとてもキレイに仕上がるんです。
塗装難易度としては
エアブラシ塗装<<<<缶スプレー塗装≦筆塗り
という感じでエアブラシの塗装難易度が1番低いんです。
「エアブラシは難しそうだから筆塗りから始めようかな…」と思ってる方はちょっと待ってください!
筆塗りが1番難易度高いです!
塗装経験がほとんどない方にこそぜひエアブラシを導入して、塗装の楽しさを知って欲しいです。そうするとプラモ作りがより楽しくなるので。
ちなみに初めてエアブラシ塗装をしたガンプラはこちらの記事です。
汚し塗装もしているのでわかりにくいかもしれませんが、塗装経験が初めてでもこのくらいの塗装が可能だったりします。
半信半疑だった自分が塗装してみてびっくりしましたから。
ですが、エアブラシを購入する際2点ほどネックになることがありました。
まず1点が「エアブラシ塗装は導入コストが高い」点です。
塗装をするとなるといろいろと買わなければならないものがあります。
エアブラシ塗装に必要なものはざっと下記のとおりです。
- エアブラシ
- コンプレッサー
- 塗装ブース(室内で塗装するなら)
- 防毒マスク
- パーツをつまむクリップ
- 塗料
- マスキングテープ…etc
トータルでみると結構な値段がかかります。
特にエアブラシ&コンプレッサーは高額なので購入に踏ん切りがつきにくいですよね。
もう1点が「エアブラシはパーツがたくさんあって何を買えばちゃんと塗装ができるのかよくわからない」点です。
僕も何を買えばいいのかわからず散々悩みました。
最近なんてamazonで「エアブラシ」と検索しても同じようなエアブラシがバーっと並んでいて何をみていいかもわからない始末。。
そこで、当記事ではエアブラシの導入コストの削減も考えつつ、ガンプラ製作歴15年の私の塗装経験もふまえ、ガンプラ(だけでなくプラモデル全般)塗装におすすめのエアブラシ&コンプレッサーを紹介させていただきます。
購入の参考になれば嬉しいです。
ガンプラ(プラモデル)塗装におすすめのエアブラシ&コンプレッサー
GSIクレオス Mr.リニアコンプレッサー L5/プラチナブラシ/圧力計付レギュレーターセット
コンプレッサー、エアブラシ(ダブルアクション)、圧力計つきレギュレーター、ドレン&ダストキャッチャー、エアブラシスタンド&トレイ、ホース(ストレートとスパイラル)
塗装に必要なものは全て揃っています。
買ったその日からすぐに塗装ができるうえに、全てにおいて高級仕様です。
エアブラシはプロコンBOYシリーズの最高級仕様で、単品で買うと14,000円くらいします。
ダブルアクションというのは、エアブラシのボタンをプッシュするとエアのみが吹き出し、そのプッシュした状態から手前に引くことで塗料の噴出量を調節するものです。
塗装の細かいコントロールができるのでダブルアクションのエアブラシが断然おすすめです。
コンプレッサーは「 L5」というもので長時間連続運転タイプです。カタログスペックだと1日中の連続運転も可能とのこと!すごいな。。
音も静かとホームページには記載されてたけど、50dbあるんですよね。
参考までにですが、僕が使っているAIRTEX社のAPC-001が47dbなのですが、静かではあるんですが夜中使うには若干気が引けてしまいます(あくまで個人的主観です)。
やはり静かといううたい文句ではありますが、ある程度の音はするなと思っておいたほうがいいかなと思います。
圧力計つきのレギュレーターはできればあったほうがいいです。
圧力計があると吹き出すエアー圧の指標になり、調節がしやすく塗装時に失敗しにくいです。
天ぷらや揚げ物をする時に温度計がついてないと揚げ具合の判断が難しいのと同じ感覚が近いかも…わかりづらいですね。。
ドレン&ダストキャッチャーはエアーホース内の水滴やゴミをブロックすることができます。無くてもでも塗装はできますが、塗装時に塗料に水が混じったら塗装が台無しになってしまうので、やはりあったほうが気持ち的に安心感が生まれます。
GSIクレオス Mr.リニアコンプレッサー L7 レギュレーター/プラチナセット
「GSIクレオス Mr.リニアコンプレッサー L5/プラチナブラシ/圧力計付レギュレーターセット」とほぼ同じセット内容です。
L5との違いはコンプレッサーが違うくらいですね。L5よりもさらに吐き出す空気量や最高圧力が増しているという感じです。
作動音が55db。
セット商品が欲しいのに売ってない場合
上に書いたL7のセットは人気のためか売り切れている場合が多いです。
念のため、単品だと何を買えばセットとほぼ同じものになるか紹介させていただきます。
スパイラルホースに関しては塗装をしているとホースがだんごみたいに絡まってしまうので、ストレートタイプのホースをおすすめします。
↑こちらは1mのものですが、2mのホースも3mのホースもあります。
塗装場所とコンプレッサーの置き場所が離れているひとは長めのホースにしておきましょう。
ちなみに、ドレン&ダストキャッチャーは予算が許すならできるだけ持っておいた方がいいです。
エアブラシを吹いているとホース内に水滴が溜まるのですが、塗装中にその水滴が吹き出してくる「水噴き」を防げますし、エアの量も調節できます。
こちらも機能は同じですが、アルミ製で軽いです(値段はドレン&ダストキャッチャー2より少しだけ高いです)。
タミヤ エアーブラシシステム No.41 スプレーワーク HG コンプレッサー レボII HGエアーブラシIII付
エアブラシ(ダブルアクション/口径0.3mm)、コンプレッサー、防振マット
結構最近発売された「タミヤ エアーブラシシステム No.63 スプレーワーク コンプレッサーアドバンス」というものと値段はほぼ変わりませんが、
10年以上モデラー達に愛されてる名機なのでオススメさせていただきました。
「なぜ古いコンプレッサーを紹介するの?」と思う方もいると思いますが、利用者の多いものだと故障時や使い方がわからない時に検索でヒットしやすいからです。
作動音は56db。まあまあでかい音と思いきや、レビューを見ると静かとコメントしてる方が多いです。
防振マット付きなのも嬉しいですね!
比較的手が出しやすい値段もポイントです。
おまけですが、こちらが比較的最近発売されたタミヤ エアーブラシシステム No.63 スプレーワーク コンプレッサーアドバンス。ダブルアクションのエアブラシ(口径0.3mm)とコンプレッサーのセット。
作動音は46dbなので静か。
ホースが透明なので水がどのくらいたまってるのかわかるのがいいですね。
あと、本体がめっちゃコンパクト!
概略寸法 12.5×7×11.5cm(※ハンガーを含めた奥行きは10cm)
Toolsisland エアーブラシスターティングキット オイルレス3Lタンク付きエアーコンプレッサー
エアブラシ(ダブルアクション)、コンプレッサー、レギュレーター(圧力計つき)、ウォーターセパレーター、ブレードホース(コンプレッサーとエアブラシをつなぐホース)
初心者から上級者まで幅広く使えます。
ほぼ全部のせ状態&ハイスペック。しかもめちゃくちゃ安いです。こんなに安くてどうやって採算取れるんだろうと心配になるくらい。
ないのはエアブラシスタンドくらいです。スタンドを追加で買ったとしても紹介したどれよりも安いです。というかありえない安さです。
非常にコストパフォーマンスが高い。
3Lのタンクがついているので、エアブラシを吹き始めた時のパワーが持続します。
下の黒いタンクがパワーのヒケツなんです。
エアブラシを使っていると、だんだんエアブラシのエアー圧が落ちていくんですよね。そうすると塗装を少し中断、圧が戻ったら塗装再開ということを繰り返します。
ちなみに私が持っているエアテックスのコンプレッサーは稼働時間が20分持ちません。
バンダイのMG(マスターグレード)クラスのガンプラを作る時だとパーツ数も多いので、いちいち「エア圧が下がって塗装をやめて…」という状態が地味にストレスになります。
タンクがついているとパワーが長い間持続し、塗装中断のストレスがかなり軽減されるわけです。
ここがこのエアーコンプレッサーをプロモデラーの方も愛用している大きな理由だと思ってます。
エアー缶をつけるタイプの簡易エアブラシや、7〜8000円前後の充電式の一体型エアブラシを否定するわけではありませんが、少しお金を払ってこちらのコンプレッサーを買ったほうが間違いなくしあわせになります。
この値段なら1年で壊れても安いと思えるレベルです。
音に関しても47dbなので比較的静かです(僕が持っているコンプレッサーも47dbでけっこう静か)。
メーカーにこだわらないのであればToolsislandのエアブラシセットは安くておすすめです。
RAYWOOD PROFIX NITRO-COMP V1
2021年12月に発売されたかなりパワフルなコンプレッサーです。
実はこのコンプレッサー、今かなり話題になってるんです。
田宮のNo.53スプレーワークパワーコンプレッサーにも引けを取らないほど高い圧力でエアを吹くことが可能。
なのに作動音は47dbとなかなか静か(田宮のコンプレッサーは48db)。
エアブラシスタンドが4箇所あり、レギュレーターも始めから付属しています。
さらにホースも2種類付属。
ブレイド(ナイロン編組)加工されたストレートタイプのエアホースも最初から付属しているのは嬉しいところ。
色々付属していて価格は田宮のNo.53スプレーワークパワーコンプレッサーの半分以下!!
めちゃくちゃ安いので海外のメーカーかと思いきや日本の会社なんです。
外部リンク:株式会社RAYWOOD公式サイト
ベタ塗り(同じ濃度で均一に塗ること)しかしないなら手が疲れないトリガータイプのハンドピース(エアブラシ)がおすすめで、
迷彩塗装をしたり、グラデーションのような陰影をつけたり繊細な塗装をしたい場合は「ダブルアクション」のエアブラシがオススメです。
水噴きを防ぐためにもドレン&ダストキャッチャーも一緒に買っておけば完璧。
最後にもう一つ、このコンプレッサーの地味だけどうれしいポイントが
「エアバルブジョイント」が付属していることです。
下のような「充電式のエアブラシコンプレッサーのハンドピースをそのまま使える」ようになるんですよ。
・「今まで充電式のエアブラシ使ってたけどパワーのあるコンプレッサーが欲しい」
・「高圧で塗料を吹ける本格的なコンプレッサーも欲しいし、ちょっとした塗装やサーフェイサーはベランダで吹いたりもしたい」
という方にとっては、充電式エアブラシのハンドピースを使い回すことができるのでとても経済的です。
使用感はこちらの動画が一番参考になります。
今私がコンプレッサーを買うなら迷わずこのPROFIX NITRO-COMP V1とPROFIX AIR-TANK T-25のセットを選びます(理由は下に書きます)。
PROFIX AIR-TANK T-25を増設して最強コンプレッサーへ
このエアブラシ用のエアータンクをエアブラシとコンプレッサーの間に接続してあげると、
- オートスイッチのオンオフの回数が減る
- 水吹きの可能性をかなり下げれる
- 振動の軽減
というメリットが得られます。
PROFIX NITRO-COMP V1には「オートスイッチ機能」があります。
これは圧力の変化を感知して自動でコンプレッサーのスイッチのオンオフをしてくれるというもので、コンプレッサーのタンク内の圧力が下がると既定値まで「ドタタタタタッ!」という振動と音の発生とともに圧力をもどすわけです。
タンクが増設されることになるので圧力が低下するスピードが伸び、スイッチのオンオフの回数が減るというわけです。
また、エアブラシを吹く際にはコンプレッサー内の圧力の増減があるためタンク内に結露が発生してしまいます。
これはどのコンプレッサーも同じで避けることができない問題なので、塗装時にはドレン&ダストキャッチャーをエアブラシにつけるなどして「水吹き」対策をします(コンプレッサーにもドレンキャッチャーはあるけど念には念を入れて)。
このタンクをつけることで、タンク内に水が溜まってくれるので「水吹き」を激減させることが可能になるのです。
つまり、PROFIX NITRO-COMP V1にこのタンクを増設することで欠点をすべて克服したといっても過言ではないコンプレッサーが爆誕したわけです。
アマゾンでのエアブラシ売れ筋ランキングも紹介
Amazonの「エアブラシ売れ筋ランキング」を紹介しておきます。
今どんなエアブラシが売れているのか気になる方は一度ご覧になってみてください。
外部リンク:Amazon「エアブラシ の売れ筋ランキング」
なぜ上記のエアブラシ&コンプレッサーがおすすめなのか?
理由は単純です。
セット販売で、上記の商品と塗料等を買えばすぐにでも塗装ができるからです(塗装ブースと防毒マスクは必要ですが)。
もちろん上記が全て初心者から上級者まで使える高性能なものだからという理由もあります。
やはり、買ってすぐ塗装できるというのはなによりもアドバンテージが高いと思っています。
単品でエアブラシ、コンプレッサー、レギュレーター…と選んでいくのはこれから塗装を始めようという方にはすごく負担に感じますよね。
そういった理由から、
・タミヤ エアーブラシシステム No.53 スプレーワークパワーコンプレッサー
・タミヤ エアーブラシシステム No.37 スプレーワーク HG エアーブラシ カップ一体型(ダブルアクション)
はセット販売ではないので今回はおすすめからは除外しました(僕が今一番欲しいコンプレッサーです)。
ちなみにこのタミヤのパワーコンプレッサーの作動音量は48dbです。
迷彩塗装をしたり、グラデーションのような陰影をつけたり繊細な塗装をしたい場合は「ダブルアクション」のエアブラシがオススメです。
欠点としては「長時間塗装してると人差し指めっちゃ疲れること」です。
ダブルアクションに比べて指が疲れないのは「トリガータイプ」です。
これは「ダブルアクションのトリガータイプ」(口径:0.3mm)というものなので引き金を絞るほど塗料が出ます。
これから塗装を始める方で、「基本的にベタ塗り(同じ色で均一に塗ること)しかしないよ」という方なら「トリガータイプ」をオススメします。
エアブラシを選ぶ際、「初心者向け」という文句に注意
「初心者向け」といううたい文句はただ値段が安いことをさしていることが多く、塗装自体が簡単にできるわけではありません。
低価格帯のエアブラシにはだいたい何かが足りません。
1回目ははじめてのことなので満足できます。
ですが、2回、3回と使っていくうちに不満な点が出てくることが多いです。そういう部分がかなりのストレスになり蓄積していきます。
そして結局本格的なエアブラシ&コンプレッサーを購入することになります。こうなるとさらにお金がかかるので、初めからある程度いいものを買っておいたほうがいいです。
エアブラシとコンプレッサーは基本的に一度買ったら故障するまで使い続けることになると思いますので、導入時の金額だけで長ければ10年以上使うことが可能です。
僕が持っているエアブラシ&コンプレッサーも2010年に購入して以来ずっと故障なく使えています。
1度や2度ガンプラやプラモデルを作って満足し、その後はもう作らないというのであれば、低価格帯のエアブラシを買ったほうがいいですが、長く続けるつもりならば少し奮発してでもいいものを買うべきだと思います。
できれば買わないほうがいいのはエアー缶を使った簡易エアブラシのようなものです。僕も一度購入したのですが、エアー缶の消費が結構激しいので結果として高くつきます。
ガンプラの塗装におすすめの塗装ブースを3つ+α紹介&徹底解説!
ガンプラを防毒マスクなしで塗装してると身体に重大なダメージを与える
せっかく塗装がうまくいってたのに塗料に水が混じったものを吹いてしまうと塗装し直しになってしまうので保険のためにもドレン&ダストキャッチャーはつけておきましょう。